くらしとバイオプラザ21

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五稜乃蔵~バイオがつなぐ産と学

はこだて国際科学祭(2024年8月17~24日)のおり、五稜之蔵(北海道 函館市)を訪ねました。ここは、2021年、函館市内に上川大雪酒造によって建てられた酒蔵です。亀尾町の旧函館市立亀尾小中学校跡地に創設されたので、前庭には見事な枝ぶりの松と二宮尊徳の像が立っています。

五稜乃蔵 正面

五稜乃蔵 正面

元校庭にたたずむ二宮尊徳像

元校庭にたたずむ二宮尊徳像

この酒蔵では函館市亀尾町産の酒米、地元の仕込み水を使った地酒が造られています。函館でお酒をつくるのは難しいといわれていたそうですが、北海道産の酒造好適米「彗星」「吟風」「きたしずく」の3種類の酒米を得て、酒造りが可能になりました。
お酒はよい米とよい水から次のように作られます。

精米、洗米、浸漬:米の外周りを削り、洗って、水につけて給水させる
蒸し:水を吸ったお米を蒸す
麹造り:専用の部屋で麹菌をうえつけて約2日かけて増やす
もろみ造り:蒸したコメ、麹、水を混ぜて酵母によって発酵させる
搾り:もろみを絞る。日本酒と酒粕ができる
高専ラボが酒蔵の中にある

高専ラボが酒蔵の中にある

発酵槽がガラス越しに見ることができる室温は11度に設定されている

発酵槽がガラス越しに見ることができる
室温は11度に設定されている

函館高専と連携した発酵学、醸造学の研究、日本酒に関わる人材の育成にも注力するそうです。函館高専は、菜の花由来の酵母を使って日本酒の商品化につなげた実績があります。醸造ラボでは、学生たちと発酵や醸造の研究を行い、もろみや麹などの酒造りの副産物を使って、アイス、粕漬け、鮭ジャーキーなどの商品を開発し、地域経済の活性化に寄与しています。

直営Shopでは限定酒の販売や試飲、醸造の様子の見学をすることができ、バイオを切り口にした産学の連携に期待したいと思います。

はこだて国際科学祭の期間中、くらしとバイオプラザ21では、8月17日のキッチンサイエンス「カラーマジックケーキ」、18日の「DNAってなんだろう」と2日間にわたり、小学生のお子さんと保護者を対象とした実験教室を函館市青年センターにて開催しました(主催 函館市青年センター、公益財団法人南北海道学術振興財団)。くらしとバイプラザ21の企画は、毎年、7月中に事前申し込みが定員に達するほど人気があります。参加者だけでなくはこだて未来大学から来てくださるTAさんたちにも楽しんでいただけて、うれしいことでした。

キッチンサイエンス

キッチンサイエンス

DNAをとりだそう

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