「新しい育種技術」サイト　リニューアルのお知らせ

くらしとバイオプラザ２１は、2013－2018年、内閣府　戦略的イノベーション創造プログラム（SIP）において、新しい育種技術の社会実装をめざすコンソーシアムのメンバーとして活動してきました。新しい育種技術の中で、現在、最も広く用いられているゲノム編集技術に関する情報提供を行ったり、視覚的にわかりやすい情報提供を助けるツールを開発したりしました。その過程において、約50回のイベントを行い、ネットワークも構築しました。
この度、これらの成果を、「新しい育種技術」のサイトをリニューアルした「新しい育種技術~ゲノム編集への期待」というサイトとして取りまとめました。ぜひ皆様にアクセスしていただきたく、ご紹介いたします。

バイオカフェアーカイブ

ゲノム編集などの新しい技術を、従来の育種技術の一つであるという立場に立って、51回のイベントを行いました。その中で、全国27か所の科学館などと連携し、研究者、メディア、企業などからの登壇者は35名になりました。「50回のあゆみ」をみていただくと、連携先、登壇者のリストがでてきて、それぞれのレポートで内容を知ることができます。
また、このプロジェクトでは、バイオカフェを一緒に企画・実施する仲間「サイエンスカフェ・コーディネーター」を増やすための養成研修会も開きました。受講生にはバイオカフェに参画してもらい、ファシリテーターや記録作成などを担当してもらいました。研修会受講生の声などをもとに、サイエンスカフェを開くときのポイントをまとめた「サイエンスカフェを開こう」を作りました。サイエンスカフェをこれから開いてみたい方にはぜひ、ご活用いただきたいと思います。

理解のためのサポートツール

資料室では、報告書、刊行本、本プロジェクトでつくったツールを紹介しています。とくに本プロジェクトでつくった次の３つツールについては、理解のためのサポートツールとしてトップページからアクセスできるようにしました。

〇説明スライド「私たちのそして世界の食生活を支える育種技術」

https://www.life-bio.or.jp/nbt/tool/world.html

ゲノム編集技術や遺伝子組換え技術はバイオテクノロジーの先端にある技術であることは間違いありません。しかし、これらの技術も、私たちの祖先が木の実などを集めていた「採集」から、耕作を始め、安定して食物を得るために知恵を絞ってきた積み重ねの歴史とつながっています。作物のゲノム情報について知らなくても、昔の人たちは経験を積み重ねてよりよい作物を作り出しました。それらの作物がいかに優れているかが現代のバイオテクノロジーで解明されることもあります。本スライドは、そのような流れも含めて、育種技術の理解を助けるためにつくりました。高等学校の授業、大学の講義、消費者の勉強会などでゲノム編集を含む育種技術について説明するときに利用していただけますと幸いです。
パワーポイントをダウンロードして、スライドの一部または全部を利用したい方は、ダウンロードを申し込んでください。ＩＤとパスワードをくらしとバイオプラザ21からお伝えします。

〇説明用・自習用電子教材「あたらしい作物をつくろう」

https://www.life-bio.or.jp/nbt/tool/vegetable.html

作物がおいしくなったり、病気に強くなったりするとき、作物の遺伝子には変化が起きています。その様子をピンボールゲームに例えて説明する動画をつくりました。ゲノム編集技術を用いる方法、遺伝子を組み換える方法、放射線を用いる方法において、どのようにDNAが変化していくかを見ることができます。授業や講義で説明するとき、自分で学習するときに利用できます。Windows版、Mac版、Android 版、iOS版を用意しました。

〇育種体験アプリ「メロンの育種」

https://www.life-bio.or.jp/nbt/tool/melon.html

あなたがメロンの育種家だったら、どんなメロンがつくりたいですか。大きいメロン、害虫に強いメロン、いろいろあると思います。この育種体験アプリでは、どんなメロンがつくりたいか、それが現在のバイオテクノロジーで可能かどうか、それにはどんな技術を使えばいいのかを選んでいきます。画面向かって左に現れる博士がいろいろと解説してくれます。「インストールの仕方」、「遊び方」をみて、メロンの育種に挑戦してみてください。