3.11を考えるキッチンサイエンス
2019年2月9日、多摩六都科学館でキッチンサイエンス「くるみだれと三色しらたまを作ろう」を行いました(協賛 SAVE IWATE、協力 武田薬品工業株式会社)。
私達は、アントシアニンという色素は環境が酸性かアルカリ性かによって、その色が変化することを利用した「カラーマジックケーキ」という実験教室を行ってきました。今回は紫芋のアントシアニンの色の変化を利用した三色の白玉を作って、くるみだれでいただきました。このくるみだれは、3.11で被災した岩手県の一般社団法人SAVE IWATEの方がお持ちくださった和グルミを利用しました。
SAVE IWATEを始め、復興に取り組む現地NPOを
長期に支援している武田薬品の吹田さん
多摩六都科学館のスタッフの皆さん
「三色白玉をつくる」
白玉の生地に紫芋粉末を加え紫色に、さらに重曹を加えて、白、紫、緑の三色の白玉を作りました。
白玉をこねる
白玉をゆでる
「和グルミを楽しみながら防災を考えよう」
SAVE IWATE 理事長 寺井さんから東日本大震災の津波の被害について、写真をみながらお話を聴きました。昔から岩手の人たちに愛されてきた和グルミ(オニグルミ)の生態、和グルミを使った食品の開発・販売を広めていく活動が紹介されました。岩手ではおいしいというときに「くるみ味がする」というほど、和グルミが愛されています。
寺井さんのお話
洋グルミは殻が薄く手でも割れますが、和グルミは
金づちで割ります
「和ぐるみの観察」
日本で多く食べられているのは洋クルミです。洋クルミの大部分は植物検疫の関係でむきみで輸入されています。洋ぐるみの殻は薄く大きいのに対し、和グルミは殻が厚くて硬く、小さく、むきみにするのに手間がかかります。日本で昔から、和グルミが食べられていましたが、今では生産高が激減してしまいました。
その上、津波で岩手のクルミは塩害を受けてしまいました。SAVE IWATEの皆さんは、和グルミを利用した食品を開発、販売することで地元の雇用を創出しています。今回のキッチンサイエンスでは、多摩六都科学館で和グルミのことを広く知ってもらい、3.11について一緒に振り返ることにしました。
SAVE IWATE 武田さんから和グルミの割り方を習う
すり鉢でくるみだれを作る。とてもいい香り。
「くるみだれをつくる」
和グルミから実を取り出すのは、とても大変です。今日はむきみを使って、すり鉢でたれを作りました。和グルミは洋グルミより油分とタンニン(渋み成分)が少ないので、まろやかな味がします。
試食では、写真をとったり、おかわりしたり
できあがり!
和グルミの殻を使ってつくるカスタネット
集合写真