バイオカフェ「新しいおコメをもとめて ~従来の育種からゲノム編集まで」
2016年10月30日にあいちサイエンスフェスティバルの一環として、バイオカフェ「新しいおコメをもとめて ~従来の育種からゲノム編集まで」を開催しました。会場は名古屋市科学館、くらしとバイオプラザ21がバイオカフェを開催するのは初めての場所でした。スピーカーは農業・食品産業技術総合研究機構 生物機能利用研究部門の小松 晃さんでした。
名古屋市科学館は、日本でも数少ない、生命科学分野の展示が充実している科学館です。2015年3月に5階の生命科学分野のフロアがリニューアルされ、今回のテーマでもある育種に関係のある展示もあります。これらは、学芸員の尾坂知江子さんをはじめとした館のみなさんがさらに興味深いものになるようにとの工夫が重ねられたものです。
また、今回は小松さんのお話の後に、参加者のみなさんの意見をお聴きし、共有するような時間を設けました。
小松さんのお話
会場の様子
小松さんのお話
品種改良の必要性
「未来への可能性を秘めた新旧技術」ということで、これはとても壮大なタイトルだけれど、これは本当のこと。
どうして品種改良技術が必要なのか。これは今の農業が抱える課題を解決するため。例えば、異常気象砂漠化や塩害に対応した品種を作る。そして農業のグローバル化、新たな国外のニーズに対して日本の農業がチャンスを得られるような品種を作り出す必要性がある。また、人口増加に伴い、食料の安定供給はもちろんだが、食品ロスについても考えないといけない。食品を大量に廃棄している国もあるが、不足しているところもある。
海外の農業生産は自分たちとは関係ない、と思ってはいけない。海外のある国が干ばつになって農作物が収穫できないと、日本に輸入されていた作物が輸入されなくなることがある。そうなると日本も食料供給に困ることになる。私たちの食料は、海外からの輸入産物で多くは賄われている事を忘れてはいけない。
このように、数々の問題解決のため、あるいは新たなニーズに対応するため、品種改良技術を磨いていくことはとても重要。
育種はどのようなものか
「育種の歴史は人類の歴史」これも、大げさかもしれないけれどその通り。古代の4大文明も、川の周辺で農耕ができる地域でうまれた。
品種改良と遺伝子を書き換えることは、頭の中で繋がりにくいかもしれないが、これが今日のポイント。人類は最初、野生の中に偶然あった、人間が食べやすいような性質に変わった植物を探して食べてきた。これは自然に植物の遺伝子が書き換わった、自然突然変異と呼ばれるもの。そうしてできた作物をかけ合わせて品種改良をする。また、変異の幅を広げるため、人為的にイオンビームやガンマー線などを当てたものから良いものを探してきて、品種にしたり交配親に使うこともある。交配育種は、片方の親の作物の花粉を、もう片方の親になる作物の雌しべにかけ合わせるが、これは実は親の遺伝情報を半分ずつ混ぜている。
自然突然変異の事例としては、例えば籾の落ちやすさ、脱粒性。インディカ米は実ると籾が軽く撫でるだけで落ちてしまうが、ジャポニカ米は落ちにくいという性質が見つけられ、使われてきた。この籾の落ちやすさは、DNAのATGCの塩基配列の並びが1文字だけ自然に書き換わり、性質が変わった。
2つ目の例は、単為結果と言って受粉しなくても実がなるナス。ナスを栽培するとき、農家さんは暑い中、ナスの花ひとつひとつに花粉をかけてやらないといけないが、手間のかかる大変な作業なのでやらなくて済ませたい。したがって、単為結果のナスは農家さんの作業軽労化につながる。
3つ目の例はみかん。みかんには早生品種というものがあるが、これは中生品種のみかんの枝変わりを利用してできた品種もある。偶然にひと枝だけ早く花が咲くものを見つけ、それを挿し木で増やしていった。
育種の技術
品種改良、育種にはいくつかの方法がある。
交配育種は2つの品種の掛け合わせをするが、大抵の場合は何回も交配を繰り返し、たくさんの中から良い個体をやっと探し出すような、とても苦労の多い作業。
遺伝子組換え技術は、その作物以外の遺伝子も使える。例えば、イネの研究が進み、病気に強い遺伝子が見つかれば、それを他のイネ科の作物に入れることが可能である。その中から良い個体を選んで、必要があればさらに交配をする。原理的には交配を何度も繰り返すよりは、目的の性質のものがスピーディーに得られる。
現在、研究が進められている新しい技術として、ゲノム編集技術がある。自然突然変異の考え方が基本となっている。ガンマー線やイオンビームを当てて遺伝子を書き換える方法はこれまでも行われて来たが、この場合はDNAのいろんな場所が書き換わってしまい、どこを書き換えるのかはコントロールできない。そのため、いろいろな性質を持った個体がたくさんできて、その中から目的の性質のものを探してくる。それに対して、ゲノム編集技術を使うことでDNAの並びの狙ったところ、場所を指定して突然変異を起こすことができるようになった
特徴的なのは、狙った場所でDNAを切るハサミの遺伝子を入れて、そのハサミが切った部分を作物自身がつなぎなおす時の直し間違いを利用して変異を起こさせること。遺伝子組換え技術は導入した遺伝子、例えば虫や除草剤に強い遺伝子をいれるとその遺伝子をずっと持っている必要がある。ゲノム編集技術では、導入したハサミ遺伝子は必要なくなったら、その後にハサミ遺伝子を持たない品種と交配し、メンデルの分離の法則でハサミ遺伝子が持たないものを選ぶ。結果、変異はあるが、外から入れた遺伝子が残らない。こうしてできた作物どのように扱えば良いか、国際機関であるOECD等で議論を進めているところ。
実際に、自分がイネのある遺伝子変異を起こそうと、ゲノム編集技術を使って狙ったところを切ってみると、切った部分に新たに2文字入ったもの、数文字抜けたものなどの個体が得られる。これは自然でおこっていることと同じだけれど、確実に狙ったところに変異を入れることができるというのは、育種を行っている研究者としては便利。みなさんはどのように感じますか?
新しい技術で開発された作物、開発中の作物
遺伝子組換え技術を利用して作られて、一番最初に販売されたのは、1996年、フレーバーセーバートマト、腐りにくいトマトだった。それ以降、この20年で遺伝子組換え作物の栽培面積は約100倍、およそ1億 8000ヘクタールに増えた。世界中で栽培国が増えていて、近年では発展途上国で栽培が広がっている。どのよう作物が栽培されているかというと、14種類の作物、ダイズ、トウモロコシのほか、パパイヤなどが栽培されている。作物ではないが、青いバラや青いカーネーション栽培されているのはご存知の方も多いと思う。
では、日本で開発中の組換え作物にはどのようなものがあるか。例えば、複合病害虫抵抗性、いくつかの病気や害虫に耐性のある作物。これは減農薬、低コスト栽培に繋がる。不良環境耐性は乾燥や塩害、酸性あるいはアルカリ性土壌への耐性があるもの。これらの不良環境耐性は遺伝子組換え技術を利用しても完全な耐性が付与できるわけではないが、環境に問題があった時に収量をゼロになるのを防ぐことを目指している。
機能性成分を高めた農作物としては、スギ花粉症治療、低アレルゲン米などがある。スギ花粉症についてはテレビなどメディアでも取り上げられているので、知っている方も多いと思う。お米を食べることで減感作療法をしようというコンセプトで作られている。テレビ番組では、臨床研究で効果があったという患者さんが紹介されていたが、これから本格的に医薬品として評価を行う。
低コスト、高付加価値な作物として飼料用のイネの開発も進められている。飼料が国内で得られるようになると、食料自給率向上につながる。飼料に添加している栄養素をコメに作らせ、低コスト化することで海外からの輸入飼料との価格差を小さくすることは重要なポイント。その他、環境修復機能を持つ植物も開発されている。
バイオマス資源になるような植物では、例えば、低リグニン性と言って微生物発酵でアルコールになりやすいように細胞壁のリグニンという物質の濃度を下げることをする。しかし、リグニンが少なすぎると細胞壁がゆるい状態になり、植物が自立できずに倒れやすくなるので、倒れにくい低リグニン植物が研究されている。
ゲノム編集技術を利用して開発されている作物もいくつかある。ソラニンという毒物を作らないジャガイモは、ソラニンが作られる過程の中の一つの遺伝子をハサミで切り、変異を入れることでソラニンの合成を途中で止めてしまう。
低アレルゲン米は、いくつかあるコメアレルゲンの1つであるグロブリンを作る遺伝子を切って、変異を与えたもの。
遺伝子組換えへの懸念
遺伝子組換え作物について、栽培について、あるいは食べることについて、いろいろな心配をされている方が少なくない。
野外栽培に関する懸念の一つは、組換え作物の雑草化。組換え作物と雑草が交雑して、枯れない雑草ができてしまうのではないかと不安に思う人がいる。食に関する懸念にはアレルギーが出てしまうのではないか、あるいは虫が食べたら死んでしまうようなものを人間が食べても大丈夫なのか、などがある。いずれも、そういった問題がでないことが確認されている組換え作物だけが流通するようなしくみになっている。
害虫抵抗性トウモロコシについて。トウモロコシを栽培すると、農薬をまかなければ必ずと言っていいほど虫に食われるが、害虫抵抗性トウモロコシを使えば殺虫剤を散布しなくても済む。そのため、作業の軽労化、低コスト化、殺虫剤散布のための燃料コストも低減できる。また、虫に食われると、かじられた跡からカビが生える。トウモロコシに生えるカビの中には、食中毒を起こすような毒物を作るものもあるため、トウモロコシにカビが生えると商品として販売できなくなってしまう。
一方で、害虫抵抗性は主に生産者のメリット。実際には安定供給という消費者メリットもあるが、一見してメリット感が見えにくい。また、生産者と消費者ではそれぞれに感じるメリットが合致しない。その点をどのように両者が折り合いをつけていくのか、考えなくてはいけないのではないか。
日本は国として遺伝子組換え作物の考えうる悪影響についてそのまま放置せず、1つ1つ、用途に応じて、科学的な知見により評価して、安全性が確認できたもののみが使用できるしくみが作られている。どこかの企業や大学などで組換え作物ができたからと言って、そのまま流通できるような仕組みにはなっていない。
ところで、先ほど紹介した害虫抵抗性トウモロコシの場合、どうして食べても安全なのか、ちゃんと説明しておきたい。まず、ヒトと昆虫では消化液が違う。ヒトは胃の中が酸性なので消化の際にBTタンパク質は分解されるが、昆虫の消化液はアルカリ性のために、タンパク質の消化のされ方が違う。殺虫性のあるBTタンパク質はヒトの胃の中では完全に分解されてしまうので、栄養分となるアミノ酸になるが、虫の胃の中では完全に分解されずに短いタンパク質として残ってしまう。この短いタンパク質と結合する受容体が昆虫にはあり、この二つが結合してしまうと昆虫は栄養分を体内に取り込めなくなってしまい、やがて死んでしまう。
このBTタンパク質はbt菌が作るタンパク質で、微生物農薬としておよそ40年間使われている。有機農法でも使用可能な農薬になっている。
安全性評価の仕組み
では、遺伝子組換え作物の安全性のしくみはどのようになっているか?遺伝子組換え生物の安全性は、カルタヘナ法に基づく生物多様性影響評価(環境への影響)、食品安全基本法に基づく食品安全性の評価、飼料法に基づく飼料安全性評価の3つに分けて行われている。
生物多様性影響評価については、国内の決まった畑で隔離栽培してデータを取る。たとえば生育が旺盛で野生種などを駆逐してしまわないか、有害物質を作って環境中に出すことで野生動物や微生物が減少していないか、野生種と交雑したものの生育が旺盛でどんどんと増えてしまい、それらに置き換わることがないか、ということを確認する。今は8作物については国内栽培が可能となっているが、実際に国内で商業栽培されているのは青いバラのみ。
食品としての安全性
基本的な考え方は既存食品と遺伝子組換え食品を比較して、安全性が変化していないかどうか。どこの国でもこれは同じで「実質的同等性」と呼ばれている。具体的には、組み込んだ遺伝子は安全か。遺伝子自体は食べても消化分解されるので、どんな生物から取ってきた遺伝子でもそれを食べたからと言ってその生物になったりすることもない。大事なことは新しい遺伝子によって作られたタンパク質がアレルギーにならないかということ。アレルギーについてはアレルゲンのアミノ酸配列と比べてどうか、実際に体内に蓄積して悪さしないか、胃液などで分解されるか、などの確認をする。また、栄養成分に予定外の変化はないかについても確認する。たとえ人間にとって良い変化だとしても、原因がわからなければ承認されない。
通常食べている食材にも食べ方や量を間違えると毒になる。ジャガイモのソラニン、インゲン豆のレクチン、青梅のシアン化合物などがあるが、それらを避ける食べ方を私たちは経験的に学んできた。しかし、遺伝子組換え技術など新しい技術で作った作物について、被害が出るまで放置するのは良くない。そのため、遺伝子組換え作物については、まるで人間ドックに入ったかのように、細かく安全性が確認されている。
最初に紹介したみかんの枝変わりは、何かが変わっているのだが、遺伝子組換え作物のような安全性の試験は行わない。では組換え作物のみがこれだけの試験を行っている現状は、一体どういうことなんだろうか?という疑問を持つことも、遺伝子組換え食品を理解するには大事なことなのかもしれない。
遺伝子組換え食品については、正確な情報に基づく理解の促進はとても大切だが、もちろん仕組みを理解した上で、やっぱり不安だから組換え食品は避けたいという気持ちの人も、当然いていいわけで、逆に受容できる気持ちの人もいていいわけです。だからと言って自分の不安や期待を他人に押し付ける必要はまったくないわけです。色々な考えの人たちが共存できる世の中を、遺伝子組換え食品一つ取ってみても、目指していければと思う。
お話のあと、参加者のみなさんには付箋紙に意見を書いていただき、それをまとめながらポイントを小松さんにお話してもらう形での意見交換を行いました。意見は、「現在 良いと思うこと」「現在 心配なこと」「将来 心配なこと」「将来 こうなってほしい」の4つの視点から書いていただいき、その付箋を4つに区切ったホワイトボードにそれぞれ貼付していただきました。その後、4つの区分ごとに意見をまとめ、司会者が発表しながら必要に応じて小松さんに解説やコメントをいただきました。
意見をまとめている様子
張り出された付箋紙
出された意見
「現在 良いと思うこと」
・日本ではGM作物を世界共通の概念で評価している
・慎重すぎるほどの安全確認をしている
・遺伝子組換えの利点がわかった
・将来の食料難対策として食物の生産性を高めることは重要
・品種改良によって誰にでも食べやすくなるのはよい
・味も見ためもよいということが、食だけでなく精神的に(美感、芸術性)も豊かにする
「現在 心配なこと」
・輸入される遺伝子組換え作物の安全性は信用できるのか
・仕組みは正しく運用されているか
・安全性確認は世界同一の基準で行われているか
・GM食物は本当に長期間食べても大丈夫か
・害虫抵抗性作物に耐性を持つ昆虫はできないか
・購入しようとするときに情報が入ってこない
・人種によって食の安全性は違うのではないか
・豆腐に「GM不使用」とあるのは組換えない物の方がよいからか
「将来 心配なこと」
・生産性・国力の違いが経済格差を助長し、貧困は解消されない
・世界基準を確立し、不正な技術を使ったGM作物の生産防止
・食物が多すぎてメニューを考えるのが大変
・食べ物がなくなり、虫が今まで食べなかった物を食べ始めるなど予想がつかない不安
・評価に見落としはないか
・時間が経過しないと検証には不安を感じる
・慎重すぎる日本は世界において行かれる
・目で見てわからないものの判断は難しい
「将来 こうなってほしい」
・おいしく健康によい食物が開発され、種類が増える
・食べ物は変えず粗食などし、元気で丈夫な体を。
・個人的な好みに合わせられるまで簡易化
・GM技術は新しいお米開発にどの位、使われているか
・津波の被災地に塩害に強い米ができる
・田畑が宅地に変わっていく中で狭い土地でたくさん取れる作物がいい
・砂漠など栽培に向かない土地で作物がつくれると食料事情も変わってくるだろう
・GM技術で病気が治る食べ物はつくれるか
・冷害、病害に強い稲を絶対作ってほしい。凶作は騒動に発展し、米屋がつぶれたりする
・GM食品の原産国表示は必ずしてほしい
話し合い
- アレルゲンの評価のときに時間で表されていたのは何の時間か? → 人工消化液や動物の消化液でアレルゲンがどのくらいの時間で消化されるかを表したもの。一定時間内で消化されるほうがアレルギーを誘発する可能性が低い。ほかに熱に強いか、量は増えていないかも調べる。
- 種なしブドウはどうして毎年たべられるのですか? → 種なしブドウは植物ホルモン処理でつくるが、種がない品種もでてきた。種のできない品種は挿し木で増やす。一方で、そもそも果樹の遺伝子セット(ゲノム)はヘテロ性(同じものの対でなく、まざりもの)が高く、種子が出来たとしてもその種子を増やしていくことができない(種子親と性質が異なっているため)。なので、接木、挿し木などの栄養繁殖で苗を増やしているのが現状。お米の品種の場合、ヘテロ性は解消されていて且つ自家受粉できるので、種子親の性質と種の性質が同じため、栄養繁殖ではなく種子繁殖で維持できる。
- 環境修復では地中の有害成分を吸い上げるというが、吸い上げた植物はどう処分するのか → 排煙が拡散しないような高度のフィルターがついた装置で焼却処分することになる。
- 日本で使っているものはデンプン、油などでDNAやタンパク質を含んでいないものだが搾りかすはどうするのか? → ダイズ、トウモロコシのしぼりかすは飼料に使う。海外では飼料になる品種から開発されており、それらが日本に輸入されている。
- 今日は遺伝子組換え作物のメリットがわかった。自給率アップ、世界の食料問題に貢献、植物の癒し効果もあるなど。
- 殺虫剤抵抗性を持つ害虫が生まれないのか? → 殺虫剤抵抗性の害虫は、遺伝子組換え作物を用いたとしても必ず生じるので、数種類の遺伝子組換え品種と殺虫剤をローテションしながら栽培する。あるいは、遺伝子組換え品種を栽培する畑の中に、害虫に食われる非組換え品種を一定面積混ぜて栽培することで、抵抗性の害虫の発生を抑えている。
- 開発中の乾燥耐性作物について、どのくらいの乾燥の度合いに耐えうるのか? → 屋根のある試験圃場で乾燥の様々な度合いをかけてコムギを栽培して評価している。ただ、乾燥ストレス耐性を獲得すると収量が落ちることがあるが、収量が多少落ちてもゼロにはならなければ、成功といえるのではないか。その後、各地域で現地実証試験を行う流れになる。