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組換えイネの収穫が行われました(北海道札幌市)

刈り取り前の遺伝子組換えイネ(土壌に籾が落ちないように稲穂に赤い袋をかけてあります)
刈り取り前の遺伝子組換えイネ(土壌に籾が落ちないように稲穂に赤い袋をかけてあります)

 北海道農業研究センター(北海道札幌市豊平区)は10月16日(木)に試験栽培をしていた遺伝子組換えイネの刈り取りを行いました。
 遺伝子組換えイネ栽培にあたり2回の説明会(5月20日、29日)を行い、環境保護団体、農業従事者、マスコミ関係者などが参加したことはくらしとバイオニュースでもお知らせいたしました。

 くらしとバイオニュース:遺伝子組換えイネ栽培試験が行われました

試験栽培の目的

 今回試験に用いられた遺伝子組換えイネには、多くの植物(C3植物)よりも効率よく光合成を行うトウモロコシ(C4植物)の光合成機能に関わる遺伝子の一つをイネに組み込んだもので、目的とする遺伝子が生物の中でどの様な働きをするかを明らかにするためには、どうしても本来の生育環境の中で栽培して確認する必要があります。「キタアケ」が北海道で育成された品種であり、組換えイネと非組換えイネ「キタアケ」との特性を比較するには、育成地である北海道で栽培する必要があるからです。組換えイネの特性調査であり、一般農家への普及を行うための栽培試験ではありません。

遺伝子組換えイネ所内試験のホームページが作られました

 説明会開催後、同センターは遺伝子組換えイネ所内試験のホームページを作り、遺伝子組換えイネの栽培状況を5月30日の田植えから10日ごとに写真をとって掲載しました。

 イネの生長記録

 見学や調査の立ち会いもできる公開された試験栽培として、刈入れ日時を知らせるなどの徹底した情報提供を行ってきました。

 同ホームページでは、遺伝子組換えイネに関する情報(どのように作られたか。どのような安全性審査を受けたか)や、試験栽培の目的、栽培された遺伝子組換えイネに関する情報、調査する項目(熟期の桿長、穂長、穂数、出穂期、1穂あたりの粒数、1000粒の重さなど)が解説されています。

収穫後の遺伝子組換えイネについて

 特に収穫後のイネは上記の調査項目の他に交雑の検証(周囲に植えた「はくちょうもち」の透明度を調べる)を行い、組換えイネは調査後焼却され、周辺のイネは2年ほど保管して発芽能力がなくなったことを確認してから堆肥にします。調査作業も日時を決めて見学できます。

同センターに電話取材をしました

 同センターにお話をうかがったところ、5月30日に移植した後の圃場見学者(一般見学者)は,30件余り,延べ300人近くです。見学者の中には,「積極的推進」,「研究には賛成するが実用化は慎重に」,「研究も含めて組換え作物反対」など色々な意見の方がいらっしゃいました。  また,この他に10月16日の収穫には,報道関係者と一般見学者,あわせて40名余りの方がいらっしゃいました。
 刈り取った稲は今は乾燥、脱穀などの準備をしているところで、調査は早くても来年(平成16年)の3月以降までかかる予定です。なお、調査結果についてはホームページで公表する予定です。

 7月には茨城県で開花、花粉の飛散を恐れる反対派グループが、遺伝子組換え大豆を栽培している畑の持ち主に無断で大豆を刈り込んでしまうという出来事も起こりました。遺伝子組換え農作物は従来の農作物よりは私達のくらしの中でのおつきあいは当然短いものですから、近所で栽培すると気になることもあるかもしれません。けれど、いきなり行動を起こすのでなく、情報を提供する側と提供される側が対面し、話し合って、気になること、どうして気になるのかを率直に言い合える関係ができてくることが必要だと思います。そのためにはまず、このような徹底した情報開示を行うことが「初めの一歩」になるのではないでしょうか。







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