くらしとバイオプラザ21事務局スタッフ5名は8月7日(木)茨城県佐貫の日本モンサント鰍フ河内研究農場の見学に行き、栽培されている遺伝子組換え大豆、従来の大豆を見学し、土壌の準備や、除草、隣接する農家との関係、心がけている点などについて同社の高木さんから話をうかがってきました。すべての大豆は5月30日に種をまいているのでこの日はちょうど69日目でした。
説明を要約すると次のとおりです。
この圃場は5年前にできており、水田と隣接しています。近所の農家には「遺伝子組換え作物を栽培する」ことはお知らせし、農薬を散布するときはあらかじめ連絡しており、国が認可しているものなので問題視する声は聞かれません。大豆を作っている農家の多くは、「大豆のほとんどが自家受粉であることから、交雑は無ではないがまず起こらない」と経験からよく知っている、といわれます。
見学できる組換え大豆は、農林水産省の指針に従って運営されている隔離圃場で栽培されていますが、食品として、飼料として、また環境における安全性を認可されているので日本での栽培や輸入をすることが可能です。今回はたまたま隔離圃場内で栽培をされています。
また、同じ隔離圃場内で組換えトウモロコシの試験栽培もその一画で行われています。圃には指針どおり、「隔離圃場」の看板がつけられ、利用しない夜間など施錠され、セキュリティシステムで監視されています。
農林水産分野等における組換え体の利用のための指針
畑には長靴を着用して出入りし土が外に持ち出されないように管理されています。
この圃場で育てられている大豆を私達が見学した8月7日までの生い立ちは以下の通りです。
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モンサント見学の図 |
*1 土を耕す
→土を柔らかくすると同時に生えている雑草を粉々にして土中に入れてしまう。除草の働きがある。
*2 土壌処理型除草剤
→土にまいて雑草の種子の発芽を抑制する。
*3 中耕・培土
→苗が20-30センチのときに苗の列の間を機械で掘り起こし除草し、掘り起こした土を株の根元によせること。除草や倒伏防止の目的で行われる。
*4 選択性除草剤
→特定の雑草にだけ効く除草剤。この畑は以前、水田だったので水田の雑草ひえなどに効くものを撒いている。
遺伝子組換え大豆はたった1回の除草剤散布で雑草は生えておらず、元気に育っていました。実際にはこれほど雑草を生え放題にすることはありませんが、雑草と日光を奪い合ってひょろひょろに成長した大豆を見たのも私達は初めてでした。使用する農薬が少ないせいかどうかわかりませんが、私達の足元にたくさんの小さなかえるが飛び出してくるのにもびっくり。私達は何も知らずに農作物を口にしていることを再認識した一日でした。
また、畑に隣接する資料館では、遺伝子組み換えに関する資料が置いてあり自由に持って帰れるようになっていました。9月いっぱいは見学を受け付けるそうです。
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種まき |
土壌処理作業 (特定の雑草の発芽を抑制する) |
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中耕・培土 |
除草しないと大豆と雑草は背比べで上にのびていく |
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除草しない大豆はひょろひょろで風や強い雨で倒れやすく、収穫できないこともある(ふみならしたようにへこんでいる中央部分は倒れてしまった所) |
非組換え大豆。種まき後、土壌処理型除草剤散布。中耕・培土を行い選択性除草剤散布1回 |
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正面組換え、左奥黒豆、 右端非組換え |
非選択性除草剤を一度だけ散布した組換え大豆 |
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元が水田だったので水田に多い雑草がよく生える |
地元で作られている大豆 |
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大豆の花は小さくて自家受粉 (手の下) |
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右から納豆小粒、盆踊り、枝豆用たのくろまめ(全て非組換え) |
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右から豆腐用エンレイ(非組換え)、油用組換え大豆(ラウンドアップ・レディー大豆AG3702)、丹波の大豆(非組換え) |