民際カフェ「キッチンサイエンス」開かれる
2009年11月9日(月)、東北公益文科大学大学院セミナーハウス(山形県鶴岡)にて、同大と共催で民際(みんざい)カフェを開きました。
キッチンサイエンス NPO法人 くらしとバイオプラザ21 佐々義子
ホットケーキミックスを使ったカップケーキのタネにブルーベリー・ジャムを入れたり、レモン汁を加えたりして、黄色、灰色がかった緑、ピンクの3色のタネを作りました。これが焼きあがるまで間、ブルーベリー・ジャム、紫芋の粉から調整したサンプルに、酸性の液体(レモン汁)、アルカリ性の液体(重層)を加えて色の変化を観察しました。さらに加えた液体の性質を、リトマス紙、ユニバーサル紙を使って調べました。
大島美恵子先生の開会 | 会場のみなさん |
ケーキの材料を混ぜる | 3色のタネをカップに入れて焼く |
話し合い
- 三色のケーキを作るときに使うブルーベリージャムを買う時の注意事項は →ジャムの中のアントシアニンを定量しているわけではないことと、産地でも異なるので一言で言うのは難しい。私はA社のジャムを使っている。冷凍のブルーベリーなら、ブルベリーが確かにあるとわかる。
- ナス、ブドウ、ホウレンソウの色は →ナスの色はタンニンで鉄があるとタンニン酸第二鉄となり真青の色となる。ブドウの色はポリフェノール。ホウレンソウの色は、カロテン、キサントフィル、クロロフィルなど、植物にはいろいろな種類の色素が含まれている。
- ジャムを作って冷存しておいたものも使えますか →アントシアニンは熱に弱いものもあるが、熱には強い色素もあるので、ジャムを煮て使うのはよい。冷凍した生のブルーベリーでも酸アルカリの実験をしたことがある。
- ムラサキイモはどうですか →ベーキングパウダーと一緒に使うと緑色になってしまいます。ムラサキイモの色のみを出すときは、スポンジケーキに使うとよい。
- 焼きそばでムラサキキャベツを使う場合、注意することがありますか →食品添加物である灌水(主成分は炭酸ナトリウム)が入っていない焼きそばでは色の変化は見られない。食品添加物を嫌がる人たちがいて、使われていない麺も多い。
- 流しやガスレンジなどの汚れを落とす時、重曹や酢を使った後、温かい湯を使うと汚れが落ちるのはなぜか →重曹でアルカリ性にし、酢で酸性にして、酸性の汚れもアルカリ性の汚れも溶かしやすくしている。例えば風呂場の石鹸汚れはアルカリ性だからお酢を使うと落ちやすくなる。リビングサイエンスラボのサイトを見るとお得な情報として掲載されている。
- 食べ物と関連付けて説明されると分かりやすいと思った。
- 実験を通して学生さんを教えてきたが、例外なく、実験の上手な人はお料理が上手であることを実感している。全体を見通せて、準備、流れがのみこめているからだと思う。
- つくばの遺伝子実験施設ではGFP遺伝子を大腸菌に導入する実験があるが、家庭科の先生はとても上手にたくさんのコロニーを出した。大島先生のお話の通りです。
- 佐々先生がキッチンサイエンスをするのはなぜですか。今後やりたいメニューは? →実験は楽しい、ケーキ作りは美味しい。楽しくて美味しいものを作り、食べ、科学を学べることってすごくいいと思っているから。今後、取り組みたいものは、温度をテーマにしたもの、例えば、チョコレートや寒天を使うもの、他には、電気釜でケーキを作ること(電気釜はどこにもあるが、オーブンは持ち込まなければいけない)
最後に民際カフェ主宰者の東北公益文科大学教授 宮本忠先生から、「サイエンスカフェをしたかったが、今日、実際できて良かった。身近なことから学べることの意義は大きい」という励ましの言葉をいただきました。
試食しながら話し合い | 会場風景 |
東北公益文科大学大学院のたたずまい |