|
バイオカフェレポート 「キッチンサイエンス〜水溶液の性質を学ぼう」 |
|
|
2007年6月9日(土)、千葉県立現代産業科学館1階ウェーブにおいて、同館と共催でバイオカフェを開きました。毎年のことながら、この日は「科学の祭典」開催中で、多くの理科の先生や中学生、親子連れが、実験を楽しんだり、展示を見たりとサイエンスを楽しんでいました。
わがバイオカフェは、高橋晴香さんによるバイオリン演奏で開始しました。
今回は、NPO法人くらしとバイオプラザ21佐々義子による「キッチンサイエンス〜水溶液の性質を学ぼう」でした。
|
|
バイオリン演奏 |
キッチンサイエンスのお話 |
- 日常使っているもの溶液の性質としてのpH
バイオカフェ参加の子供に前へ出てきてもらい、用意された重曹(じゅうそう)水や洗濯石鹸粉を水に溶かした液、化粧水、レモンの絞り汁のpHについてpH試験紙を使って調べてました。重曹液と石鹸液はアルカリ性、レモン汁は酸性、化粧水は中性でした。
|
|
ユニバーサルという指示薬でPh調べ |
中和の実験 |
- 紫キャベツのゆで汁を使って溶液のpHを色の違いで調べました
1)紫キャベツ50gを水200mlに浸漬、煮詰めて約150mlにした後、これを濾して作る。または、紫キャベツ50gを大さじ一杯の塩を加えもんだ後、水180mlを加え濾して作る。
2)こうして作った紫キャベツ液を使って実験しました。
紫キャベツ液に酸性のレモン絞り汁を加えるとピンク色になり、アルカリ性の洗剤や重曹を加えると色が青色と変化し、溶液のpHにより変化することがわかりました。
- 酸、アルカリの色の変化を応用して色づきケーキやパンを作って楽しむことができます。例えば、紫芋をパウダーにしたものとそれにレモン汁を加えたものを重層しケーキを作ると紫色とピンク色をしたケーキが出来上がる。会場ではくらしとバイオの手作りケーキが配られ、ケーキを割ると色分けがされていて、参加者から歓声が上がり、食べても満足そうでした。
- 紫色のものの本体はアントシアニン
紫キャベツの紫色を示す物質は、アントシアニン。アジサイの花もアントシアニンを含み、これを含む食材として、紫芋、紫タマネギ、ブルーベリージャム、ブルーベリーソースなどがある。アントシアニンは各植物の各細胞の中にある液胞に入っている。アントシアニンはポリフェノールの仲間で、熱には強い物質で酸性、アルカリ性の環境で色が変わる。
- 溶液のpHを考える上で、食べ物の消化と関連づけてみると
胃の中はpH が1.5-2の酸性となっており、肉などのタンパク質を分解する酵素であるペプシンが最も働くpH2と同じである。小腸では、pHは中性となり、消化された物が吸収しやすくなっている。
- アジサイの花の色と土壌のpH
日本の土壌は酸性であるのに、育ったアジサイの花は青色、欧州の土壌はアルカリ性なのに、アジサイの花はピンク色。土壌のpHが花のアントシアニンには影響を及ぼしていないようです。
身近にあるものを使ってpHの変化を色の変化で調べられること、消化とpHとが密接に関係していること、pHを知ることは薬の働きなどを調べる上で大切であることを学びました。
|
|
土壌の酸性、アルカリ性はアジサイの花の色 にも影響する |
会場風景 |
|
話し合い |
- アジサイの色がアントシアニンとは逆で、土壌が酸性だと青、アルカリ性だと赤になる理由は→仕組みは複雑でわかっていない。アルミニウムイオンが関係しているところまではわかってきているそうだ
- アジサイの色変わりの仕組みがまだわかっていないことがわかった。
- ケーキがおいしかった
- 酸性・アルカリ性でケーキの色も変わるのでびっくりした。
- レモン汁やせっけん水を加えると、紫キャベツのゆで汁の色がきれいにかわるので面白かった
- あんなに鮮やかにきれいに色が変わるとはおもわなかった。紫キャベツのゆで汁の色はアジサイの色と似ていると思いました。
|