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                          第23回バイオカフェレポート「健康食品って何」 | 
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平成18年10月27日(金)、茅場町でバイオカフェを開きました。スピーチは、くらしとバイオプラザ21専務理事真山武志からの「健康食品って何」でした。始まりは、馬渡さんのフルート演奏。
 
      
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            | フルートの演奏 | 
            お話する真山さん | 
       
  
 
 
     
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       お話の概要 | 
     
 
健康日本21を政府が発表して4年くらいたちました。この背景には医療費の増大もありますが、「自分の身体は自分で守ろう」というコンセプトがあります。 
健康食品は食品で薬ではありませんが、健康の維持・増進への効果が期待され、注目されています。 
 
機能性食品とは? 
食品には次の3つの機能があります 
一次機能 食べ物としての機能、栄養、エネルギー 
2次機能 味覚に関わるもの 
3次機能 機能に関わるもの 普通の食事で足りない分を補ったり、特殊な体質の方が摂取すると健康を増進したりする 
機能性食品は3次機能を持ったものをさします。 
母乳の成分のラクトフェリンは、初めて認められた3次機能です。ラクトフェリンの免疫増強機能を期待してラクトフェリンイチゴ、ラクトフェリンイネの研究も進められています。大腸がんの治療に有効だという報告も出ているそうです 
 
トクホとは? 
特定保健栄養食品には次のふたつがあります。 
栄養機能食品:機能があると考えられる成分が含まれる。ビタミンやミネラル(カルシウムなど)のように機能が確定しているものを強化した。規定の含量があれば、検証データをつけなくても発売できる。 
特定保健用食品:特定の保健の用途が表示できる。データに基づいて厚生労働省に申請して厚生労働省が承認するという形。食品安全委員会の専門調査会で審査。 
例えば、「コレステロールがつきにくい」「お腹の調子を整える」などの表示をすることができますが、医薬品ではないので、効能をうたうことはできません。 
この他に病者用食品というのがあり、血液透析をしている人のためにカリウムを低くした食品などがあります。これはお医者さんと相談して用いるので、一般食品とは異なります。 
 
健康食品とは 
いわゆる健康食品は法律で規定されていませんが、健康への機能が期待されている食品で、サプリメント、栄養補助食品などです。データに裏付けられているものではありません 
これに対して、特定保健機能食品は有効性、安全性の審査を受けたもののことです。 
例えば、特定保健用食品のデータはヒト何100例、何10例程度の比較対照のデータが必要になりますが、医薬品では数1000例が必要になり、開発費も数10億円以上になります。特定保健用食品の開発費は薬よりは、ずっと少ないはず。また、すでに確定している要素についてはデータを出さなくてよいことになっています。 
健康食品は健康被害が出なければ販売でき、規制がないので、有効性の根拠がなくても健康食品の表示はできます。 
 
厚生労働省の審査 
特定保健用食品、栄養機能食品以外は厚生労働省の審査をうけていません。例えば、特定健康食品、特定機能食品、栄養補助食品など。飲まなかった人、飲んだ人の対照試験のデータの裏づけがあると考えていい健康食品の中で信用して使っていいのは特定保健用食品だけ。試験は、無作為化比較対照試験を通過して有効性、安全性を示されたもので、有意差の検定の精度が薬より緩いです。 
薬と比べてみましょう。厚生労働省が審査する医薬品にも次の2つがあり、使われ方が異なります。 
医療医薬品:医者が処方するもの。ビタミンでも医者が処方するものは医療用医薬品 
一般医薬品(OTC;over the counter):処方箋なしに薬局のカウンター越しに渡す薬 
 
条件付き特定保健用食品とは 
条件付とトクホマークについているものがある。特定保健用食品ほど、対照、非対照の間の有意差が出ていないが、長い経験からふさわしいと承認されるもの。現在はただひとつだけ。
 
      
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       話し合い | 
     
 
 
- 商品が出て、苦情が出て認可の取り消しもありうるのか→使用制限はかわるでしょう。
 
- ダイズイソフラボンは初めトクホをとっていたが、妊婦はとりすぎに気をつけるようにということになり、健康食品として販売することになった。
 
- 「血糖値の気になる方」に、というお茶を普通のお茶だと思って飲んだ祖母の具合が悪くなったことがある。アンパンを食べて回復したが、ただのお茶だと思っていて飲んでいたお茶が血糖値をさげてしまったようだ。
 
- 血圧の気になる方に、といっても血圧が高くて気になる人も、血圧が低い人もいて、わかりにいのではないか
 
- 健康のために摂取する食品で、信用して食べていいものは、トクホマークがついているものを見分けてください。
 
- トクホの発売元が薬屋だと、薬のような効能があるような気がしてしまう
 
- 薬には有効期限があるが、トクホにはあるか→使用期限がある
 
- 食品や薬も開封すると使用期限は変わってくる。物質の安定性のため、それぞれ異なる。
 
- 海外は→ライナスポーリング(ノーベル賞受賞)がビタミンの効用を述べたので、大変、人気がある。
 
- 米国はどうなっているのか
 
- ヘルスクレームという健康強調表示がある。FDAが承認しており、アメリカの真似をして日本でもトクホが始まった。
 
- 条件付トクホがあるという話があったが、審議会では条件付で認めるのはおかしいのではないか
 
- 特定保健用食品の審査を受けるには、費用がかかるので大企業しか出せないという業界の声はあるというのは本当ですか
 
- 確かに申請して審査を受けるには、費用がかかる
 
- 錠剤やカプセルの形状をしていると、食品といっても、医薬品だと思ってしまうのではないか→医薬品の厳しい審査により通過していると思ってしまう人がいるという意見もある。形態のために医薬品だと誤解するのは、もっともだが、食品であると表示しており、錠剤やカプセルを作るための物は、食品添加物の安全性審査に通っているので問題ない
 
- 特定保健用食品ではダイエット効果があるものはあるのか→お茶が市販されている。ダイエットの薬は、栄養の吸収を抑制するものがある。
 
- りんご、みかんのポリフェノールが脂肪の吸収を妨げるので、毎食の前に食べていいというというテレビ番組があったが、実際は、りんご、みかんのカロリーの分だけ太るだけ
 
- 健康番組の裏取材をしたときに、スポンサーへの配慮、科学者の話のままでは面白くないので、面白おかしく演出してしまうことはあるらしいと感じた
 
- 医者にかかったときには、薬以外で飲んでいるものについても伝えた方がいいのか→自分の使っている健康食品などの情報も医者や薬剤師に伝えるようにするとよい。カルシウム拮抗剤をグレープフルーツジュースで飲むと、血圧が急に下がって倒れてしまうことがある。
 
- 健康食品のクロレラも相性の悪い薬もいろいろある。
 
- お医者さん、薬剤師さんには、自分の健康情報は何でも伝えた方がいいのですね
 
- 花粉症緩和コメの話が以前のバイオカフェで出ていたが、トクホになるのですか→厚生労働省と農林水産省が関わっているかにも関係する。花粉症の治療に近いものなので、医師、薬剤師の処方に使われるようになるのではないだろうか
 
 
初めて参加した方たちから 
- 科学ジャーナリストを目指していて、参加した。
 
- 今日のバイオカフェは身近な話題でよかったです
 
- 意見交換が活発でよかった(初めて参加した中学生)
 
- 参加者の発言が盛んで驚いた
 
 
 
                
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