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サイエンスコミュニケーション・ワークショップ in Sapporo 開かれる |
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1月23日(月)、24日(火)、北海道大学科学技術コミュニケーター養成ユニット(Costep)の主催で、同大学術交流会館にて2日にわたり次のふたつのワークショップが、行われました。
ワークショップI 「サイエンスエンゲージメントの手法」
ワークショップII [サイエンスカフェ:イギリスと日本の経験]
イギリスからいらしたシェークスピア先生(ニューカッスル大学)は生命倫理を題材にした研究をされる一方、市民法廷なども実践され、カフェシアンティフィークの生みの親のおひとりというお立場で参加されました。全国から80名余りが参加。私たち、くらしとバイオプラザ21ではワークショップIIでバイオカフェの報告の機会をいただきましたので、報告します。
トム・シェークスピア氏(ニューカッスル大学、イギリス)
開催の経緯と英国内の波及
ダンカン・ダラスさん(テレビプロデューサー)が、フランスのサイエンスカフェの創始者に関する記事から、市民と科学を語り合う活動を開始、一緒に活動してきた。
1年で9回開催し、参加者は60−100名。気楽に参加できることが大事なので、150名以上は難しい。内容は組換え食品、利他主義、天文学、ロボット光学、光学、栄養学と多岐にわたり、経験に基づく話を紹介。スピーカーには、特に有名人は招かない。サイエンスカフェはウェルカム財団の資金援助で、英国内広がっている。
国際会議
サイエンスカフェの国際会議が2003年にフランスで、2004年はイギリスで私がオーガナイズして開かれた。ノルウェー、アルゼンチン、スウェーデンなど世界のサイエンスカフェ関係者や英国内の30数箇所のサイエンスカフェ関係者が参加。
ジュニアサイエンスカフェ
理科離れは世界的な傾向。サイエンスを文化の一部として認識させ、劇場に行くようにサイエンスカフェに行くことを位置づけ広めたい。科学に人々は関心と脅威を持っている。情緒的な側面に影響を与えたり、人間と科学が敵対的になったときの橋渡しになれたらいい。2005年ジュニアサイエンスカフェをイギリスの小中学校で開催。時間は昼休みや放課後の30分
テーマ:動物の保護や動物の権利、野生生物、携帯電話など。
サイエンスカフェのあり方
大学外で独立して行うべき。反科学でも、科学に受身でもない立場が大事
科学は倫理的道徳的側面からみてどんな影響を及ぼすのかを、非科学者や教育レベルの低い人もとりこんで考えていく。
ニューキャッスル大学のサイエンスカフェのやりかた
互いに丸くなって話しやすい雰囲気を作る
入場無料でだれでも参加できる(8000枚のチラシを配布)
テーマは自然科学、社会科学、倫理学など
お話(30分)は講義ではなく、会衆と同じ目線で話す。休憩時間(10分)は洗面所にいったり、どんな質問しようか考える時間とし、討論(1〜1.5時間)を行う。
ファシリテーターの役目は、フレンドリーな場の雰囲気つくり。話し聞くことを楽しみ、難しい言葉には説明を求め、話が熱くなったときにはおさめること。
スピーチの形は、短いスピーチを複数行う。例えば、ナノテクノロジーの賛成と反対をひとりずつ、小説家や詩人、芸術家。
ブリティッシュカウンシルの活動に参加して各国のサイエンスカフェを視察
イギリスの文化を国外に知らせる機能を持つ団体で、イギリスの研究者を派遣している。私も派遣されたときに各国のサイエンスカフェを視察。
背景が異なるとサイエンスカフェも違ってくる。インドやシンガポールは科学に受身、米国は批評的、イギリスは議論上手で科学に敬意を表する姿勢。夜の活動が難しい地域では早い時刻に行ったり、お酒をサービスするケースもあった。インドでは野外で実施していた。
通信で世界の国々が参画した例もあり、対人が原則だが、ビデオカンフェレンスも有意義。
サイエンスカフェの位置づけ
サイエンスカフェは「科学に批評的な目を持つ友人」と、捉えるべき。アジアのサイエンスカフェの普及はこれからなので、日本が中心になってほしい。運営には、本気で熱心にやる人が必要だが、複数のオーガナイザーが必要。参加費は原則無料。参加者寄付を講師謝礼にあてたり、飲み物を無料サービスにしてもらうなどの交渉ができるといい。サイエンスカフェの内容をインターネットやラジオで配信するのも効果がある。
質問1 科学に関心がなく、知識がない人の参加を促す方法は
→サイエンスカフェの雰囲気の醸成が大事。一般紙のレベルで簡潔に話す。専業主婦などが、参加後、「私でも参加していいんだわ」とわかって口コミで広げてくれる。一般市民も本当は科学を知りたいから、わかったときに楽しくなる
質問2 反科学も受け入れるのはなぜか
→私たちはバランスをとる努力をしている。ナノテクを話すときは賛成、反対の両方のスピーカーを呼ぶ。情緒的、非科学的、宗教的な話はよくない。迷信めいたことは正しくないことを明らかにすべき。敵対的な人が来るのではないかと不安を感じていた科学者も自分の話を一般の人に話しなら、公平な議論の意義を認めるようになる。
過激な発言に対しては、「今の発言は一方的な意見のようですが、これ以外の意見はありませんか?」と投げかける
自分と異なる立場の人の話を聞くと、相手を理解し、敵対的にはならない。双方向の対話が大事。
岡橋毅氏(北海道大学・Costep学術研究員)
2005年10月から毎月第二金曜日17時より開催。時間は2時間
場所:札幌駅前紀伊国屋書店1階インナーガーデン
運営者:Costepとサポーター
特徴:地元との協働(コラボ)
目的:科学コミュニケーター養成ユニットの教育プログラムの一環として開催。5名の履修者が企画、時間配分、会場レイアウト、チームワーク、ポスター作成、広報、制作を勉強。
工夫:天文学を扱ったときには、10名の院生が会場を回り、参加者が直接質。問する時間を設けた。フィンランドの科学教育ではスピーチと平行して子供たちはフィンランドのこども向けワークショップを実施するなど
参加者数:流動的で出入りがあるので100−200名で、サイエンスに興味のある人が多い。
課題など:研究者のコミュニケーションスキル向上になるが、負担も大きい。カフェにしやすいトピック、やる気のある研究者に集中。メディアとの協働は相乗効果をもたらすが単なる宣伝では批判性が欠如する。スピーチの満足度は高いが質問タイムの満足度が低い。
質問1 スピーカーとトピックとどちらを先に決めるか。
→両方。スピーカーは北大の先生を中心に選ぶ。
質問2 カフェに向いているトピック、避けた方がいいトピックスとは何か。
→身近にない科学(純粋科学)、社会に応用される可能性のない科学は選びにくいが、やらないほうがいいトピックスはない。
質問3 科学者の権威が問題なるとはどういうことか。
→ボランタリーで話をしてもらうので、プレゼンテーションについて事務局が介入しにくい。自分のペースでやりたい研究者は事務局の介入を嫌がる。
福西浩氏(東北大学大学院理学研究科)
2005年8月から月1回、サイエンスカフェを開催。
目的と運営:大学が法人化され、最も遅れていた広報に力を入れることになった。社会貢献担当理事、事務系スタッフ、教員系スタッフ、広告代理店が加わり、イベント企画のひとつとしてサイエンスカフェを開始した。サイエンスカフェワーキンググループは、30数名からなり、県、市、高等学校、ケーブルテレビ、IT企業関係者が参加。
スペシャル企画:鳥インフルエンザなど緊急に必要な内容を扱い、場所もせんだいメディアテーク以外。
通常のサイエンスカフェ:一日の企画で、展示は 10時から19時30分、サイエンスカフェは18時から19時30分まで、講演(30分)、カフェタイム(30分)、質問タイム(30分)で構成。25テーブル(各テーブルは6名)を用意し、各テーブルに院生が1人ずつファシリテーターとして入り、カフェタイムでのテーブルごとの話あいを盛り上げる。 またカフェタイムではテーブルごとに質問表を作成する。
質問タイムは質問表をもとに全体討論、残った質問にはHPで回答する。
参加者数:全体で100〜150名、他に東北大スタッフ15名と大学院生25名ほど。5割が10代・20代。
参加費:飲み物は隣のカフェから配達で高校生無料。一般市民は300円。
集客:ポスターをはり、ちらしをあちこちにおいている。
テーマ:高校生のアンケート調査も参考にして選び、スピーカーは東北大学の先生が担当(国際的に活躍している先生がわかりやすく話す)
レポート:サイエンスカフェホームページに詳しいレポートを掲載。英語のHPにもレポートをのせて海外にも情報発信。
ケーブルテレビ:1時間半の録画から1時間番組をつくりケーブルテレビで毎週1回れグらー番組として放送している。
会場設営:学生たちと行う、
場所:せんだいメディアテークの上は市の図書館で毎日2000人の出入りがある。
やり方:中間のカフェタイムではいろいろな工夫をしている。12月開催の「メディアリテラシーて何だろう」では、各テーブルごとに配った写真にコピーをつけてもらったり、1月の「数学って面白い」では、各テーブルでシャボン玉でさまざまな形をつくったりしており、各テーブルのファシリテーターの活動は評判がいい。
今後の課題:文系の話題(教育、経済など)を取り入れる。インターネットで県外の会場と結ぶ。ワーキンググループの拡大。録画から作成した番組からインターネットスクールの教材作成。
質問1 数十名の院生は自主的に参加しているのか。
→話題提供をする研究科の学生がボランティアとして参加してもらっている。参加した大学院生にはよい教育効果があり、大きな刺激を受けている。
質問2 カフェタイムの30分で議論を引き出しまとめるにはファシリテータースキルが大きい。
→50ページのマニュアルでファシリテーターのやり方も説明。事前打ち合わせ実施。ファシリテーターの能力は東北大生の持つべき資質と位置づけ。参加者が東北大学入学を希望するのなどファシリテーターの貢献は大きい。
一番のねらいは中高生や市民の創造性を刺激し、東北大学の創造性を市民に知ってもらう。
質問3 ゲストになる講師との事前交渉は。
→講師プロフィール、内容、プレゼンテーションはワーキンググループでチェックしてわかりやすく修正してもらう。
質問4 講演時間30分だとコンテンツがかなりしぼりこまれていると思うが。
→全体で1時間30−40分にまとめることが参加者への配慮なので、30分に絞り込む。
佐々義子(NPO法人くらしとバイオプラザ21)
くらしとバイオがバイオカフェを始めるまでには、比較農場見学会、親子バイオ実験教室、談話会など、少人数でホスピタリティのあるイベントにおいて参加者の満足度が高いという手ごたえを持っていたので、3月より茅場町と銀座を中心とした定着型と札幌、千葉などのイベントで開催するイベント型バイオカフェを開催。すでに28回開催し、参加者の満足度は90%以上と高いことがアンケートからわかった。
https://www.life-bio.or.jp/
伊藤真之氏(神戸大発達科学部)
開催の背景:神戸大学に開設された、地域社会の人間発達を支援する「ヒューマン・コミュニティ創成研究センター」のプロジェクトしとして数名の教員で始めた。
プロジェクト「市民の科学に対する大学の支援に関する実践的研究」の目的
科学技術的課題に対する市民のエンパワーメント
市民と科学・科学者の新しい関係(「隣人としての科学者」)
文化としての科学の広がり
プロジェクトとしての展開
フェーズ1 サイエンスカフェやセミナーへの参加を通じて科学・技術の話題に関心をもつ市民の緩やかなネットワークを形成
フェーズ2 趣味的にサイエンスに取り組む。
フェーズ3 ある程度の高いモチベーションを持つ市民を中心としたより高度な調査研究へ。
サイエンスカフェの位置づけ
双方向コミュニケーションの場を作りたい。
継続的実施にむけて:今は大学教員主導だが、徐々に運営主体を市民に移行していきたい。
ゲストを引き受ける研究者を百名規模で集めて、「神戸では毎日どこかでサイエンスカフェがひらかれている」というのが理想の姿(地域の文化の一部にしたい)。
開催場所:神戸酒心館(酒蔵を改修したホール)、「北野工房のまち」など神戸の地域性のあるおしゃれな場所、文化的雰囲気、アートとのつながりがある場所を選んでいる。
開催テーマ:これまでは物理や宇宙の話題が多かったが、今後生命科学や環境も取り上げる。
参加者:会社員、主婦、OL、現役やOBの技術者まで、いろいろな方が参加。
持続可能な運営体制整備が重要(私の研究者生命が危ない?)
質問1 市民の科学に関心を持つ人のゆるいネットワークから関心の高い人への強いネットワークへ進むのではないか。
→常連が友の会を作って運営をしてくれるといいと思っていて、その中から研究をしたい人も出てくると期待している。
質問2 場所を変えることの意味は?
→神戸市内の車で15分くらいの範囲で実施。環境が参加者に影響を与えるので雰囲気のよい所。酒心館ではマネージャーが共感してくれて、これがネットワーキングの第一歩と感じた。
質問3 本当に来てほしい人はどこにいて、そういう人は来ているのか。
→受付を自分でやっているので、いろいろな分野の技術者や科学好きの主婦などが参加していることがわかっている。こういう人たちの参加に満足している。
質問4 どんな継続的サポート体制が必要か。
→事務、運営をしてくれる人を雇えたら一番いい。まとまった人数の院生が定常的に支援してくれるといい。大学院教育に実習を含むサイエンスコミュニケーションの科目を2−3年以内にとり入れたい。
「カフェシアンティフィーク東京の実践と国内外サイエンスカフェ調査」 |
中村征樹氏(東京大学)
カフェシアンティフィーク東京の活動
運営:中心産業総合研究所「技術と社会研究センター」元メンバーが中心に始めた。
カフェシアンティフィークin 下北沢を昨年4月から試行の場として3回開催。4回目を計画中。
スタッフは10人弱の研究者で、なじみカフェ(奥にギャラリーがある)を使った。
サイエンスや科学よりシアンティフィークの方が意味が不明瞭でかえってよいのではないかと考えて命名た。貸しきりでなく、他のお客さんにも聞いてほしい。月曜か火曜日の19時からドリンク代のみでカフェに協力してもらっている。
科学について話すことを音楽や芸術について語るように位置づけたい。
国内外の調査
国外では、イギリス、フランス、韓国。国内では、北大、東北大学、神戸大学、未来館、サイエンスステーション、茨城県、科学技術振興質、武田計測先端地財団、日曜大学(京都)、三省堂、個人の気象予報士、バイオカフェ、哲学カフェなど。
フランスの紹介
カフェフィロ(哲学カフェ)に影響を受けてサイエンスカフェが始まった。
例1)広いレストラン。貸切ではない。普通に食事をしていたら、サイエンスカフェが始まったという感じ。食に関する質問を2時間くらい軽くかわす
例2)リヨン「核廃棄物の処分の仕方について」
立場の異なる複数のゲスト(核廃棄物では行政に批判的な人もよばれていた)
プレゼンテーションなしで、1−2分のスピーカーの自己紹介から全体討論へ。
理系の院生が視野がせまくならないように、企画運営をしていた。
多様なカフェ:哲学カフェ、精神分析カフェ、地理学カフェ、メディアカフェ、ヨーロッパカフェ、モードカフェなど、多種多様なカフェをやっていて、やり方に興味をもって別なテーマのカフェに参加者が移動していくこともある。
今後のやり方:複数のゲストを迎え、他の文化的活動との連携(横の関係の重視)をはかりたい。どういうふうにすれば人が集まり、成功するのかというノウハウを調べる。研究者にとってのコミュニケーションのトレーニングに限らず、研究者と市民両方の学びになる。研究者と市民の関係性も変化していくのではないか。
質問1 サイエンスカフェのやり方が異なっていたほうが参加者は面白いのではないか。
→互いのサイエンスカフェの情報共有ができるようになると面白い。
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全体討論1 |
全体討論2 |
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統合討論 |
Costep 石原孝二氏の司会により会場と全スピーカーによる総合討論が行われました。
シェークスピアさんの総評
日本のサイエンスカフェの発展過程は多様でとても面白く将来に期待。欧州でも多様な形態
サイエンスカフェはレクチャーとは違うものだが、日本はレクチャーが中心のように見える。長いスピーチやビジュアルはいいと思わない。互いに質問しあうのが大事で、人数の規模は20〜100人がいい。友好的にゆったりと行うことが大事。
日本もイギリスも公害などの科学への懐疑的な気分があるのは共通
岡林:日本人は議論が苦手でレクチャーになる傾向はある。ディスカッションが面白いと思わせる機会を作れるといい
福西:人前で立って発言するのは苦手でも各テーブルにファシリテーターをおくので、東北大のやり方は成功していると思う。まとはずれな質問があって全体議論には発展しない。
佐々:日本人は基礎知識がないと発言を躊躇する姿勢があるので、そこへの配慮が必要
会場からの質問1 大学のサイエンスカフェは学校教育や教科書に影響をもつだろうか
福西:サイエンスの楽しさを味わってもらいたい。学校教育は科学の難しさを強調してしまっているのに対して、研究者がサイエンスの楽しさを語る。サイエンスは何に役立つのかという質問があるがよくあるが、サイエンスの楽しさを知れば、サイエンスへの興味がわき、サイエンスをみんなで育てる気持ちが出てくる。
シェークツピア:私見として。イギリスで集まる多く人は学校で科学が好きでなかった人が多い、細かいことをいって教育しようと思っていない、科学リテラシーを高めることが大事。新聞を批評的に読める知識を持ってもらいたい。学校で理科ができないこどもが、サイエンスカフェに来て勉強をもしろがって成績があがった例がある。人間がどのよう育つのかが課題
会場からの質問2 下流が整備されても上流はどうだろうか
伊藤:学校時代の理科が好きでなかった人にも来て欲しい。科学を語りあえる場を設けることに意味があると思う。シェークスピア先生の「科学の民主化」が重要だと考え、私は「市民の科学」と表現した。学校教育にも何かの影響をおよぼせると思う
中村:若い人に影響を与えるにはジュニアカフェが有効だと思う。フランスのサイエンスカフェ開催者は小中学校の開催のサポートをしていた。どんな人に何を話してもらいたいかを話し合う場を理系・文系の教師も加わって作っていた。生徒自身がサイエンスカフェ開催を通じて科学技術を知る機会をつくる。
「サイエンスカフェ」と、サイエンスを先に考えて命名していることから、科学も芸術も同じように語り合おうといいつつ、科学にこだわっているのは私たちではないか。身の回りのことを議論から始まって、科学や経済の関わりに気づくのもいい。科学が足かせになっていないか
会場からの質問3 サイエンスカフェのテーマの選び方には、1)文化として楽しむ、2)組換え食品のように関わりを考える、3)時宜をえたものを扱って危機を共有するなどがあるが。
岡橋:未知のものをどう扱うか。論争的なトピックは扱ったことはない。合意形成は目指さないし、できない。市民の発言から切り口が生まれるかもしれない。政策決定につながることも期待しない
シェークスピア:長期的にプログラムを考えるのが大事。今までの9回の開催ではヒト細胞に関わる論争的なテーマも扱う。何が問題かを持って帰ることができる。宇宙は人のくらしに関わらないが人気がある。自閉症を扱ったときには家族も参加した。すべてが大議論では人は近寄らなくなる。トピックスのバランスをとり、難しいが女性のスピーカーも加える。女性も科学者になれることを示したい。
中村:サイエンスカフェの目的は議論の文化を創ること。家に問題意識を持ち帰る、議論する文化が広がるための触媒のひとつとしてサイエンスカフェがひろがるといい
佐々:対面して話し合うことが重要。顔を合わせたらひどいことはいわないはず。
会場からの質問5 サイエンスカフェを運営するモチベーションはなにか
シェークスピア:私の仕事だから
岡橋:議論する文化を広めたい
福西:研究テーマをどういう刺激で決めるかいくか
佐々:余り新聞を読む時間もなく過ごしている人達が考え意見を言ったり聞いたりするときに後押しをしたい
伊藤:真理を知ること、探求することは人間にとって価値のある営みだと思う。その営みをだれでもが楽しめる場所や仕組みをつくりたい
中村:学生に市民と科学の関係を教えている立場から、議論が家庭に持ち帰られないために興るべき対立が生じないのではないかと思っている。短期的には対立があっても、そういう議論は将来に役に立つ
最後にCostep代表の杉山先生から、これが今後の情報交換や連携につながるようにという閉会のことばがありました。
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すっかり仲良しになったパネリストとCostepメンバー |
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