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バイオカフェ(仙台)開催レポート 「ジョンウェインはなぜ死んだか」 |
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12月2日(金)、仙台アトリウムカフェ(青葉区中央、セントレ東北)で東北バイオインダストリー振興会議と共催でバイオカフェを開きました。
プロフェッサーズのよる弦楽四重奏。東北大学名誉教授 奈良久さん、伊藤翼さん、中島佑さんと東北大学教授 粕屋厚生さんが、アンコールつきの大演奏会をしてくださいました。お話はくらしとバイプラザ21の真山武志さんによる「ジョンウェインはなぜ死んだか~がんと遺伝子」。
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真山さんのお話の概要 |
https://www.life-bio.or.jp/topics/topics155.html
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プロフェッサーズの演奏 |
夜景がきれいなアトリウムカフェ |
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質疑応答 |
(○は参加者、→はスピーカー)
ガンについての研究とDNAの働き
○DNAを介さない変異とはどうこうことか→ショウジョウバエの脚にヒトのレンズ眼の遺伝子を入れたところ複眼ができたという実験結果から、たんぱく質の発現にはDNAだけでなく、細胞という環境が影響を及ぼしていることが推察された。これは、DNAがすべてを決定するのでないことを示していると考えている。
○発ガン物質が世の中にはいっぱいあるが、がんに効くクスリはあるのか→ガンを攻撃する薬は細胞毒なので副作用が大きかった。最近は抗体でガンを制する薬の研究が進んでいる。ガンは早期発見、手術で除去できることも大事。
○塩とガンとの関係は?→機能低下と考えられる。メカニズムは食塩を取りすぎると、代謝するときに体にストレスがかかるのではないかと思う。これは直接、その関係が検証されているのではない。
温泉の効能
○飲んで効能があるナトリウム泉、フランスの命の水(高濃度の食塩を含む)が体にいいのはなぜか。
秋田の玉川温泉はpH1くらいの強い酸性。岩盤から遠赤外線がでるらしい→九州の療養所では温熱療法で、40度くらいでガン細胞殺す。
○温泉で体温があげるのがいい。
笑いと涙の効果
○「お笑い遺伝子」が発見されたという話も聞いたことがある。笑いは免疫機能をあげる。
○笑いはnatural killer 細胞を増やすというデータがある。
○泣いてすっきりしてポジティブになるときは、どうなっているのだろう。
「泣いてはいけない」と自分を律していたストレスから開放されるのではないか。がまんしないのがいいということだろうか。
○試験前にストレスがかかっていると、風をひかず、終わってダウンすることもある。ストレスはよくないはずなのに、なぜ、能力があがるのか→火事場の馬鹿力というのはアドレナリンが多く分泌されるからと考えられている。
粗食について
○粗食がいいというが、日本人は魚を多く食べてきている→ハワイの日系人に大腸ガンが多いのは、牛肉を多く食べたからだと、疫学的には考えられる。焼き魚のこげたところにできるニトロソアミンには発がん性がある。
○肉を多く食べた後の尿から変異が起きたDNA断片がみつかっている。
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ジョンウェインの話は温泉の効能に発展 |
会場風景 |
健康な食生活と腸内細菌
○私の体はニコチン、プリン体、アルコールからできていると思うくらい、飲酒、喫煙しているが、natural killer細胞を増やせるだろうか。
○琴欧州の故郷であるブルガリアは世界一の長寿国。ヨーグルトをたべてビフィズス菌を増やしてはどうか。
○乳酸菌が作るたんぱく質の構成成分であるアミノ酸はL体という形だが、食品として作られたものにはD体も含まれている可能性があり、それでは吸収されないのではないか(アミノ酸にはL体、D体といって化学式が同じでも、立体構造が鏡像の関係になっているものがある)
○ヨーグルトの中にビフィズス菌を腸内に増やすことが大事で(乳児の腸はビフィズス菌でいっぱい。その環境に近づけることが加齢対策になるという考え方)、できた乳酸がD体でも関係ないはず。
○腸内細菌のバランスが大事ということだったが、ビフィズス菌ばかりに偏ってよいのか
○ビフィズス菌が多いと病原性の大腸菌が繁殖しにくい環境を作れるのでよいとされている。
○緑黄色野菜は活性酸素を殺すそうだが、あくまでも疫学のデータが示していることで、ミクロの仕組みはわかっていない。
○緑黄色野菜が大事だからといってカロチンの取りすぎは考え物、おいしく楽しくバランスよく食べるのが大事。サプリメントに頼るのはよくないと思う。
○コーヒーもカフェインが含まれているが、楽しく飲めばよいはず。
○ポーリン博士がビタミンCでガンを抑えるという研究をしたことがある→ビタミンCは水溶性なので体内に蓄積しないが、脂溶性のビタミンの大量投与には体内蓄積し発がん性に関係すると考えられている。
おいしく食べ、楽しく生きるのが一番。今日の弦楽四重奏をされた先生たちを見習いましょう。
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