|
第8回バイオカフェ(茅場町りりー)開催レポート |
|
|
9月9日(金)茅場町「りりー」にて第8回バイオカフェ「理系人間はモテない?!」が開かれました。スピーカーはNPO法人くらしとバイオプラザ21主任研究員佐々義子さんです。今までとはやや異なるタイトルにひかれてか、ご近所にお勤めの若い女性など初めて参加する方が4名いらっしゃいました。会は「人間の生命力を活性化させることに興味がある」という松本宗雄さんのビオラによる「バッハ無伴奏チェロソナタ」の演奏から始まりました。
|
|
バッハの無伴奏チェロの調べをビオラで |
理系って本当にネクラでしょうか? |
|
佐々さんの話の概要 |
- 「理系の女性はモテない」「理系の男性はネクラ」と世間で言われることがあるがそれは「ぬれぎぬ・・・」ではないかと思い、理系学部出身のひとりとして、身近なサイエンスを台所から考えてみる。
- 料理をしていても「食べ物も理科の法則に従っている」と感じる。ケーキ作りひとつとっても卵白・ドライイースト・ベーキングパウダーの泡の違いにより「物理のケーキ」「バイオのケーキ」「化学のケーキ」と、理科的にケーキを楽しんでいる。カカオバターの融点は28℃、タンパク質の変性する温度は種類で異なるなど、「温度の不思議」も食感に影響していて興味深い。
- ケーキを焼いていて、膨らむのをオーブンのガラス窓から見ているのはケーキ焼きの楽しみのひとつだが、焼いたケーキは冷えると熱で膨張した空気は収縮し、しぼんでしまう。重力を利用して、冷えるまでケーキをしぼまなくする構造になっている「シフォン型」はノーベル賞をあげたいくらいすばらしい発明だといつも感動を覚える。
- 「ゼリーに生のトロピカルフルーツを入れてはダメ」何故なら酵素の働きでゼリーが溶けてしまうから。ゼリーにキウィフルーツをのせたところ、余りにはっきりと溶けて崩れたので、とても面白かった。料理もこのように考えると面白いのではないか?
- 生命の尊さを科学で表せるか?ヒトの染色体は22対の状染色体と1対の性染色体からできているが、その組み合わせは計算すると数十兆通りとなる。あなたのかけがえのなさは数十兆分の1の確率。あなたはこの天文学的な数の組み合わせの中から選ばれた、世界にひとりしかいない「かけがえのない人」。あなたの大切さを、生物の情報伝達のしくみを手本にして、生命の健康と地球の健康のために活用する技術であるバイオテクノロジーが証明したことになる。
- 理系の人間がモテるようになるには? 「市民に愛されるサイエンス」を育てることは、身近な話題から深い感動を表現すること。どれだけ豊かに自分の感動を伝えることができるかにかかっていると思う。
|
思わずみんな笑ってしまう |
|
参加者の声 |
- 理系男性は「ネクラ」と言われるようだが、それは何か言おうと思っても理屈がしっかりして、考えが明確になってからでないと発言しないからではないか?
- 理系人間が「モテる」ようになるにはどうしたらよいか考えてしまう。
- 理系の人間の話は用語をはじめ専門的すぎてついて行けないところが多い。
- 会社で人を説得するには理屈が必要。理系の方が良いのでは。
- 理系に男性が多いのは、「説明がつかない事はイヤ」で「何とか説明したい」と思うからではないか?スポーツでもフォームなど言葉で具体的に伝えようとする傾向があると思う。
- スポーツの上達度を考えてみると女性は素直に指導者の教えに従うので右肩上がりだが、男性は基礎が出来ていないにも拘らず自己流でやる人が多いので段階的になりがちではないか?
- 理系、文系にかかわらず感情表現は女性の方が上手いと思う。
- 人とあまり接したくなかったので研究者になった教師もいる。(本当は燈台守になりたかったという数学者にあったことがある)
- 理系、文系は関係ないのではないか?性格、環境が影響するのでは。
- 高校2年で理系、文系の進路を決めるのは問題かもしれない。
- 理系は合理的だが目的の捕らえ方が狭い感じがする。
- 理系、文系は関心の持ちどころが違うと思う。理系は化学式を見て、どう結びつくか頭の中でイメージできるが、文系は現実から逃れられない。
- 文系は理系に「密かなコンプレックス」を持っているが、理系は「密かな優越感」を持っているのではないか?
|