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ゲノムひろば |
文部科学省の主催で「ゲノムひろば2003」が福岡、京都、東京で開催されました。今年で2回目のゲノム研究の研究者と市民との交流イベントです。東京は11月15日(土)、16日(日)の2日間、お台場の日本科学未来館の特設会場でポスターセッションやトークセッション、セミナーが行われました。くらしとバイオプラザ21では15日開催のゲノムセミナーとポスターセッションを聴講いたしましたので、紹介いたします。
吉川寛先生のご講演では、先生がご研究されてきたバクテリアのゲノムについての研究を通して「ゲノムとは何か」から「これからのゲノム研究」に至るまでのお話を丁寧にしていただきました。続いて、3題の先端研究の報告です。1題目は門脇孝先生の糖尿病を遺伝子から見た研究。身近な病気だけに聴講にも熱が入ります。先端の研究知見からオーダーメイド医療にも話が及び質問が矢のように飛び交いました。2題目は宮野悟先生のコンピューターを用いた遺伝子の働きのシュミレーションの研究です。研究が進み複雑になるほど異分野の技術を取り入れていくことの重要性が増していきます。3題目は岡田典弘先生の種の分化、進化についての遺伝子からのアプローチのお話でした。
ポスターセッションでは、43のブースにカラフルで分かり易いポスターが貼られ、その前では簡単な実験やサンプル等が並べられ、先端の研究を身近に理解できるようにさまざまな工夫がなされていました。大学の先生や学生さん、研究者の方々が付きっきりで一人一人に説明してくれます。また、最新鋭の実験機器も見ることができました。
日常では触れることのできない研究現場の雰囲気に接し、理解を深めることのできる素晴らしいイベントでした。このような機会がもっとたくさん増え、一人でも多くの方に足を運んでいただくことを願います。
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