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池田社長と冨田先生の 記者会見 |
11月28日(金)フォーリン・プレスセンター(東京千代田区)において「遺伝子組換え大豆95%使用納豆」発売に関わる記者説明会が開かれ、約60-70名の関係者、マスコミが集まりました。
日本初の遺伝子組換え食品製造・販売を行うバイオベンチャーで、素材の輸出入、医薬品の研究開発、バイオ技術の開発とコンサルティングを行っていきます。扱う製品は「納豆のススメ」と「DFA III(チコリの根から作られる低カロリー甘味料)」、「ドライ納豆(発売未定)」の3品目です。
ホームぺージには情報やQ&Aコーナーなども設けました。
紹介された製品は安全、安心、おいしいDr冨ちゃんの納豆のススメで、遺伝子組換え大豆95%使用という表示がされます。
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21世紀はバイオの世紀 |
バイオ技術は農場、環境保護の現場、化学工業、バイオエレクトロニクス、医学、スーパーマーケットで、その技術は応用されています。
農産物の収量増加などバイオは古くから農業に使われてきました。品種改良でも遺伝子組換え技術などのニューバイオを応用すると必要な形質を短時間で得ることができます。
遺伝子組換え農作物だけが安全性審査をされており、DNAまでわかっている大豆は丸裸な大豆といえます。
遺伝子組換え大豆は環境に貢献します(除草剤抵抗性大豆に対して使用する除草剤は、土壌に吸着しやすく、土中で分解しやすい除草剤を使用するので、土壌をいためない。いろいろな種類の除草剤を利用する必要がなく、不耕起栽培により表土流出防止や土壌の微生物を失わず、炭素を吸着することができる)。
*不耕起栽培:畑を耕さずに種をまく栽培方法
北海道大学の半澤研究室は、当時、納豆のスターター(納豆菌)を作って販売し、このお金で研究室に電気を引いたという逸話が残っています。
- 半澤式で衛生的においしくつくる
- 環境と人に優しい大豆(米国産の搾油用の大豆を利用したが、油の味が気にならないような工夫をしている)
- おいしさを瞬間に冷凍する
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A-HITBioの役目 |
持続的地球環境維持のために貢献する。
BT戦略の謳う国民理解のために貢献する。
祝辞 (社)農林水産先端技術振興センター理事長 畑中孝晴氏 |
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祝辞を述べる 畑中STAFF理事長 |
イネゲノム、ブタゲノム研究をしていますが、バイオテクノロジーを普及するためパンフレット作成、出前授業、講演会、体験学習会などの活動もしています。研修会、講演会の後、遺伝子組換え原料を用いた食品を求める市民がいても推薦できる食品がありませんでしたが、これからは「納豆のススメ」ができたので、普通の納豆と変わらないことを体験してほしいと思います。今日、多数おいでいただいているマスコミの方達は目に付く事件ばかりでなく公平に書いて下さい。
Q:除草剤抵抗性大豆とはどんな大豆ですか
A:ある特定の除草剤に枯れない性質を持つ大豆のことです。例えば、その除草剤を使った時、雑草は枯れますが、除草剤抵抗性大豆は枯れません。この除草剤は分解性が高く、ほとんど残留しません。
Q:なぜ95%なのですか。
A:本当はすべて遺伝子組換え大豆使用なのですが、ラウンドアップ抵抗性を図ると95%以上の数値を出すことは科学的に正しくないということでこの表示を取っています。
Q:なぜ米国産の大豆を用いるのですか
A:米国から日本モンサント社を通じて輸入して納豆を作っています。日本では遺伝子組換え大豆が栽培されていないので、ラウンドアップが登録農薬になるまで実際には栽培できないので。
Q:現在、スーパーでは2-3個で100円くらい購入できる納豆ですが、「納豆のススメ」は送料を加えると倍の値段ですが
A:今後1年に1000万食、1000万円を目標にしており、認知度があがれば流通にのせてもらえるのではないかと思う。遺伝子組換え大豆の利用量が多くなれば、安くできると考えている。
Q:納豆のススメを食べて具合が悪くなったというクレームが来たらどうしますか
A:納豆菌は古くから食品として使用され、知られているので、この菌が原因でおなかをこわすことはないと考えているが、そのような例が出たら、きちんと対応していくつもり。日本人が長命なのは納豆を食べているからという説もあります
Q:消費者にとって遺伝子組換え大豆を食べるメリットはありますか。
A:遺伝子組換え大豆は、大豆というものの中で科学的な評価方法で安全性試験が行われた世界で最初の例である。現段階では流通に乗せられないので消費者への直接的なメリットのひとつである価格低減はまだ実現できません。不耕起栽培による地球環境へのやさしさ、炭酸ガスの環境への放出が減るのを消費者のメリットに数えられると思います。
Q:遺伝子組換え大豆だからおいしいのですか
A:遺伝子組換えだからおいしくなるという表現は科学的に正しくありません。納豆菌、発酵方法の工夫で搾油用の大豆なのにかなりおいしくできるようになりました
Q:国内で遺伝子組換え大豆栽培の予定は?
A:国内での栽培は難しい。この大豆は搾油用でアメリカ中西部が産地なので北海道の気候では無理だと思うし、現実には難しいと思っています。北海道でこの品種栽培するには様々の試験が必要であり、うまくできるかどうかはわかりません。北海道にある大豆に除草剤抵抗性をつけるのが実用に向けては近道になるのではないかと思います。
Q:モンサントを通じて輸入しているので驚きましたが、どのような表示をしますか。「GM大豆使用」ですか。「不分別」ですか。
A:表示法の規定に従って遺伝子組換え大豆使用としてある。また組換え95%と表示する。組換え大豆の安全性や環境へのやさしさを市民が理解して買えば、メリット表示になると思います。
Q:既に認可されている別の品種を使う予定は?
A:油用大豆で納豆を作る段階にこぎつけたところで、4人でやっている会社なので、新しい品種に挑戦する余裕はありません。
Q:GM納豆は認知度が低いという社長の話しだったが、GM大豆は不安であるという意味の方で市民には認知されているのが現実だと思いますが、そのことについて。
A:今まではそのようなマイナスの意味で認知されてきましたが、今日が発売日ということで、今日からはGM納豆として別な意味が生まれると思います。
Q:消費者にはどんなことをアピールしますか。
A:安全な食品というものはしいていうならば、その動物の母親から与えられる母乳以外にはありません。
今食べているものは習慣的に食べてきたもので、安全性審査は行われていません。その意味では遺伝子組換え食品が安全性審査を通過した初めての食品で安全性が試験され、しかも環境にやさしいと思います。
Q:製造の形態はどのようにするのですか? 先刻、手で混ぜている写真が紹介されました。
A:今日、ご提供している「納豆のススメ」は半澤式で私が作りました。委託製造はしていません。すべて自社製造です。
Q:この大豆は不耕起栽培で作られたのですか
A:輸入大豆だということで不耕起栽培かどうかは確認していません。
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会場で板前さんが作った 納豆巻きが配られました |
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「納豆のススメ」 を持つ冨田先生 |
おつまみのドライ納豆 |
「遺伝子組換え材料使用」と書かれた食品が初めて日本で販売されます。記者会見会場で板前さんが作った納豆手巻き寿司は試食しましたが、粒は大きめで癖のないおいしい納豆でした。
除草剤抵抗性大豆が安全性審査を通過したのは平成8年です。安全性の問題ではなく、消費者の選択のためという名目で表示が始まったのが平成13年4月からでしたが、実際に組換えと非組換え大豆を用いた納豆を私達が選択できるようになったのはこの記者会見の日だったわけです。通信販売で5セットから注文できます。(送料を除くと1パック約55円になる)談話会などでくらしとバイオでも試食してみたいと思っていますが、現在は注文が殺到しているそうです。